「a night with a full moon 」











今日は、仲秋の名月。
軍司令部ロイの執務室。彼の窓辺から、見える満月。
煌々と輝く月。

「美しいものだ」と、独りごちる。
その輝きと一緒に、目に浮かぶ人が。
愛する人がいる。恋する人がいる。
エドワード。
この煌々と輝く光のような笑顔をいつも見せてくれる彼の姿。
今、君もこの満月を見ているのだろうか。
この広大なアメストリスを端から端まで走り回っている君には、その余裕が
あるだろうか。



だが、時には足を休め。
身体を休め。
この世界を宇宙から見下ろしている満月を、見上げるのも良いのでは。
満月に見下ろされるのも良いものだ。
己を知るから。
そして…。これ、また違った世界を感じることだろう。



さしずめ私は、君のことを思うのだが。
そんな風に、満月の光を浴びながらロイは、うっとりと見上げ続ける。

満月の中で描かれる、映像。その画は、多種多様な映像を想像させる。

私には、金色の三つ編みを揺らしながら走り続けるエドワードを想像する。
普通は「餅つきをするうさぎ」を思い浮かべるらしいが。
私の瞳には、君の三つ編みが「うさぎの耳」に見える。
彼の姿が、「うさぎ」に見えるとは。
「ははは…!」笑いがでる。
だが、可愛らしい。国中を走り回る「金色のうさぎ」。


「うさぎ、よ。私の元に、たまには顔を出しておくれ。待っているのだよ…」
ロイの言葉は、煌々と輝く満月に向けられる。


―――― 静かに、ロイの言の葉は執務室に響く。


「何、誰を待ってんだよ!」
声がする方に、向きかえると。そこには…、「金色のうさぎ」の姿。
「エドワード!」
「よっー!ただいま!」
ロイの表情は、驚きから安堵の表情へと変わっていく。
「お帰り、エド…!ははは…。うさぎが帰ってきたよ!」
私は、今迄の延長戦で彼に言葉をかける。私にしかわからないだろう言葉で。
案の定、彼から「なんだよ、それー!」とエドワードは小首を傾け不可思議な
顔をしている。その顔が、またロイを喜ばせてしまう。



満月から、降りてきた「うさぎ」。忙しい彼は、私の所に輝かしい笑顔を私に届けに
来てくれた。
エドワードを優しく見つめるロイ。
満月に向けて、願いを言ってみるのも良いものだ。

たまには、叶えられるものだ。










2005/9/18 「十五夜」 桜 美由紀。
「小話」本日、満月を見ながら、沸いてきたので…。


2005/10/24(改新版) 日記掲載分よりサイトにアップ☆
すみません(汗)今頃…。