愛すること、愛されること。(32)












「エドワード、痛いなぁ〜」
キンブリーは投げ付けられた物によって傷を負った頬を擦っていた。それでも彼の口元は薄気味悪く笑みを浮かべていた。
エドワードは壁に身体を痛いほど押し付けられ、側近の一人に胸倉を掴まれていた。意気込む顔を近づけられ、血気盛んにエドワードに息を吹きつけてくる。
「オイ、キンブリーさんを傷つけやがって此の侭ですむと思うなよ!」
――クッ、離せ」
ギリギリと襟元を締め上げられて、エドワードは声を出すことが出来ない。それでも声を振り絞って男に抵抗すると容赦なく平手が返ってきた。
顔なんて、幾らでも殴らせてやる。だけど大切なこの腹に触れられることだけは絶対に許さない。
エドワードはそんな想いを抱いて必死に腹を庇うように両腕で守っていた。
彼のそんな瞳が生意気に見えて気に入らないのだろう。男は彼の金色の髪を引っ掴み、頭を壁に何度がぶつけ擦りつけた。
「イッ ぅ…ぁ」
小さな呻き声が上がった。エドワードのこめかみ辺りから赤い鮮血が流れる。
それでもエドワードの瞳は屈しなかった。何物にも変えられない大切なモノを身体に宿しているからだ。
エドワードの真っ直ぐな瞳は溝の世界にどっぷり浸かった男達には脅威となる。次第に戦意を喪失していく男は遂にはエドワードの身体を突き放した。その攻防を涼しい顔で黙って見ていたキンブリーが漸く口を挟んだ。
「およしなさい。あなたでは相手にならないでしょう」
「ぁ、すんません。キンブリーさん、コイツの生意気な目が…」
右手を少し上に掲げて、男の言い訳を遮ったキンブリーはじりじりとエドワードににじり寄って来た。側近の男達も彼の動きには一目置いていた。
張り詰める空気でエドワードは押し潰されそうになる。だけどこの子を守らなくてはいけないのだ。腹を庇うように巻いていたストールをギュッと握り締めていた。
すぅーと、以前のように右手が伸びてきた。その手から顔を背け逃げようと瞑目したが、腫れた頬に触れられた。
ゾッとする感触
――
ぁ あ……オレはこの感覚からまだ逃れられないのか。
忘れることが出来ない感触だ。だけど今はあの頃のオレじゃない。
もう身体を売る必要はない。オレは自由だ。こんな奴の良いようにはならない。
キンブリーに確固たる信念を見せ付けるように睨み上げた。
だが、そんな瞳に動じないキンブリーは獲物を手中に入れた獣のような瞳をしていた。
「おやおや、そんな怖い顔しないで下さいね。そんな目をするから、痛い目に合うんですよ。昔、私がよ〜く教えてあげたでしょう?」
顔をねっとりと近づけてきた。それでもエドワードは奴の瞳を睨み上げていた。どんなに頭がふら付いていても殴られた頬が痛んでも彼は決して臆しないと、訴えた。
「もうオレは昔のオレじゃない。もうアンタとは関係ない! 放してくれ」
「キンブリーさん! こんな口の訊き方をする奴、許しておけないですよ!」
「オイ、おまえ! 舐めた口訊くんじゃない」
キンブリーの周りを囲んでいた男達が鼻息荒く、口汚く罵ってきた。そんな脅しにもエドワードは怯まなかった。今出来る唯一の抵抗手段は燦々と輝く金の眼
――で己が意志を訴えること。
それでも彼の胸中には謝罪を続ける自分も存在していた。何度もそれは繰り返されていた「ロイ、ごめんな。大切な跡継ぎを危険な目に晒してごめん…」と。
だが、周囲の喧騒を無視してキンブリーはぺろりと口唇を舐めると、唐突にエドワードの口唇に齧り付いてきたのだ。
突然のことにエドワードの瞳が瞠目したが、反射的に侵入者を阻止した。
――痛いですね」
咄嗟に離れたキンブリーの口唇から赤い血が滲んでいた。それを彼の心根とは全く反対の色を示すスーツの袖で拭った。それを見ていた男達が更にエドワードに闘志を燃やし、腕を構え始めた。こんな成人もしていない聖女のようなエドワードに彼らは何故か脅威を感じているのだ。それはエドワードから放たれる強い光の所為だと、誰も気づかない。
否、彼らは一生気づくことは出来ないだろう。
「アンタとこんなことする義理もない!」
金糸の髪は乱れ顔も血で汚れていたが、凛とした姿勢でエドワードは強い意志を奴に示した。ほんの一瞬、キンブリーの表情に苛立ちが表れた。
それを誤魔化し、狂宴に酔った様に愉しげな表情に変わるが、ギロリと爬虫類の瞳がエドワードを嬲るように見ていた。
「ほぉ……そうですか。ですが、私が男でもない。女でもない身体のあなたを女にしてあげたんですよ。忘れていないでしょう」
ぺろりと赤い舌を出して、肩頬を歪ませた微笑がエドワードの背筋を凍らせた。冷たい汗が流れているのを感じた。じっとりと、汗ばんだ手が耳を塞ぎたくなる内容に耐えるように腹を抱きしめていた。
キンブリーは引くことはなかった。燦々とした光を放つエドワードは、この男には眩しくないのだ。屈折した彼は深海の暗い闇底が生きる場所なのだ。片足ぐらいをその闇に突っ込んで息巻いている男達とは一味も二味も違うのだ。
真の闇底でキンブリーという男は棲んでいるのだ。
エドワードの顔が引き攣り歪み、あの忌まわしい過去を思い出してしまう。


*          *          *


始まりの日
――
泣き叫び震える身体を大の男達にひん剥かれ両手、両脚を押さえつけられた。そして、キンブリーに女である秘所を犯された。処女といえるのか、どうかわからない妖しげな半陰陽な身体は眼前の男に女として抱かれたのだ。異物を阻止する幼い膣壁は裂け、血の涙を流した。その流れた涙が滑り、キンブリーの男根を咥え込みゆるゆると濡れて男の挿入を許した。心では泣いていても、身体は
――始めての感覚に嬌声を上げた。
両脚を引き千切られるほど広げられ挿入部を見物している男達が口元を手の甲で拭い、知らぬ間にもう片手は己の股間に伸ばされていた。嫌がる幼い身体を強姦する様は男達の欲望を駆り立てた。それにその身体は見たこともない構造をしているのだ。幼い桃色の男根は萎縮しているが、ぷらぷらと下腹部で揺れている。しかし、あるべきはずのない所に膣口が存在し、膨張した男根に挿入を許していた。
慟哭混じりの悲鳴と男達のせせら笑いが、今でもエドワードの耳から離れない。
ギシギシと安物のスプリングが鳴り、疼痛と恥辱にまみれて泣いた。キンブリーが稀少な身体に満足し、膣の奥に汚辱の証を吐き出すと、今度は商品として売り出すために男達が交代でエドワードの小さな身体を抱き崩し調教した。


*           *           *


戦慄く身体を必死に抑えて、エドワードは過去を追い払おうと無意識に頭を左右に振った。すると、そんな隙を狙って背後から乱れた着物の襟元をキンブリーの欲に染まった手がグッと肌蹴させた。
「!?」
大きく広がった襟元から白い肌が覗く、そこにするりと手を差し込んできた。咄嗟のことで、抵抗することが出来なくてエドワードは狼狽した。
「止めろ!!」
容赦なくキンブリーは陶磁器のように白い項をペロリと舐めながら、眼を輝かせた。
「んぅ? ほぉ〜これは面白い」
面白い玩具を発見したように彼の表情が変わる。それから周囲の男達に、にやりとそのえげつない顔を見せた。彼の手管に抵抗が出来ないエドワードは必死にもがいたが
――
知られたくない部分を知られてしまい彼の鼓動は弾けるように鳴った。
最近になって緩やかに膨らみ始めた胸部。
腹の子供のためにゆっくりと成長し、産まれた赤子のために与えられる乳房。
その聖域ともいえる部分を粗略に扱かれた。愛のない
――手が、性的欲求が貪ってきた。
優しく包み込んで愛してくれたロイの手は此処にはないのだ。
「やっ、ゃあ…ァッ
―――!!」
エドワードの恐怖に浸った悲鳴が、キンブリーの鬼畜まがいに狂った精神を活性化させてしまう。今までにないくらいに彼の表情が面妖なモノに変わる。
それと同時に色んな感覚が研ぎ澄まされていくのだ。幼い胸を嬲りながら、彼の卑猥な視線は下にゆっくり降りた。それから彼がひたすら守り続ける腹に注がれた。嬉々として、その腹を見る眼には欲望が明らかに混ざって、目尻が徐々に吊り上った。
「おや? その腹、妊娠しているのですか? まさかこんな身体で妊娠するとは…これは珍しい!! その身なりと云い…もしかして、相手はあの男、ロイ・マスタング?」
ぬうっと近づけてくる陽気な顔にエドワードは慨然として瞳孔を大きくした。ロイとの間柄をこの男に絶対に知られたくなかった。それに
――身体を触れられることは許しても、この命が宿る腹にだけは触れさせたくない。
そんな想いとは掛け離れて、エドワードは奴のいう言葉を肯定するように大切な腹をギュッと庇っていた。
それを見逃すはずがないキンブリーは、エドワードを奈落に突き落すようなことを興奮気味に言い出した。
「はっはっは
――!! これは良いですね。ふたなりの妊婦として舞台に上がったら以前の倍、否それ以上の収益が手に入るでしょう。それにその身体を味わいたいモノですね」
エドワードはこの男の底知れない悪に身震いした。
狂っている……。
絶対に狂っている
――そして、エドワードは……。
こうしている間に自分の人生がサラサラと砂時計のように流れ落ちていく感覚を感じた。
この男は此処まで危ない男なのだ。それを見抜けなかった自分が口惜しい。
エドワードはその場にあるあらゆる物を投げ付けた。地面にある土までも彼の武器にしようと、必死に抵抗したのだ。手にするもの全てが凶器に変わるエドワードの前に、キンブリーは大口を開いて失笑し、手下に彼の身体を捕獲させることを任せた。
「そんなに暴れてはいけない。ぁ あー貴方達、腹を暴行してはいけませんよ。折角の商品に傷がつきます。考えて殴ってくださいね」
冷ややかな表情を崩さずに、極悪非道な命令を出すのだ。
近くに置かれていた廃材を手にして、男達はキンブリーの言いつけ通りにエドワードの身体を適度に傷めつけた。
「クッ、痛っ
――ぁう、ん…」
口端から漏れる鈍痛をエドワードは抑えたが、奴らは面白そうにその戦慄く身体を殴り、蹲った身体を引き起こし、手足を踏み付けた。エドワードが抵抗出来ないように彼の力を削げれば良いのだ。
だが、そんな暴力行為も拍車が掛かってきた。エドワードの綺麗に着付けられた着物は袖を引き千切られ、後頭部で結われていた金糸は髪が引き抜かれるように引っ張られていた。奴らにとって適度な暴行は
――残酷にエドワードの身体を痛めつけていた。
それでもエドワードは腹の子供を守り続けた。
触れさせたくない。
大切なあの人の子供だからと、彼らに臆することなく金眼は徹底抗戦していたが、眼から火花が飛び出す事態の中、お零れを頂戴するように卑猥な会話も飛び交った。
「キンブリーさん、そんなに人気者だったんなら、俺にも味見させて下さいよ」
それを意図も簡単に了承する声がエドワードを絶望の淵に陥れたが、エドワードは大切な腹を抱きしめるように身を屈めて暴行に耐えた。
この責め苦から逃げ出せる機会を激痛に苛まれる身体で伺っていた。
絶対にあるはずだ
――と、信じて。


*           *           *


あからさまに嘲笑する声が路地に響いていた。それに比例するように落雷が遠くで聴こえていた。遠巻きで暴行される姿を見ているキンブリーの冷笑が蒼白く光って見えた。
エドワードは土に爪を食い込ませていた。
――絶対に…こ、この身体をおまえらに触れさせない! オレは自由、な、なんだ…」
エドワードは血が滲む口唇を噛み締めながら、暴行を繰り返す男達を睨み返していた。
だが、言葉とは裏腹に彼の痛めつけられた姿態は男達には毒となっていた。
着物の肩袖は半分引き千切られ白い上腕を見せ、蹲った身体は着物の裾が猥らに肌蹴られていた。景徳鎮を思わせる太腿が赤い腰巻と一緒に男達の目の前に晒されていた。
あちこち血が滲み擦り傷と打撲だらけの身体。それが余計に男達の股間をそわそわとさせるのだ。
鼻を膨らませ、鼻息を荒くする男がエドワードの顎を持ち上げた。
「えらく、色っぽいな……あんた。さすがキンブリーさんが目を掛けたほどだ…」
男の性は時として、仇を成すのだ。
エドワードが誘った訳ではないが、どうやら男の一人が彼の色香にすっかり落ちたようだ。己の口唇を舐めまわして、男は卑猥な手をエドワードに伸ばしてきた。脅しの為に持っていたナイフを地面に置いて、顔を近づけ跪く姿は余裕たっぷりだ。他の男達もこれから行なわれる猥褻行為を、固唾を呑んで凝視していた。
それをエドワードは見逃さなかった。『動け、動け!!』と、何度も念じながら漸く左手が動き出した。
それからは
――早かった。
落ちたナイフを握り締めた。
衿下が乱れ赤い腰巻が見えている場所をねっとりと視姦し、男は捲り上げ内股に手を挿し込んできた。
エドワードは躊躇うことなくその男の頬を切りつけた。
「うわぁー!? 何しやがるコイツ!!」
血が流れる頬を押さえ、仰け反り喚き散らす男を押し退けてエドワードは渾身の力で立ち上がった。そして、左手に持っているナイフの切っ先は驚愕する男達にしっかりと向けられていた。
「おい、何てこった!? コイツは……とんでもない奴だ」
男達はエドワードの捨て身の行動に思わず、怯んでしまう。ぼろぼろのエドワード一人に男達は近づくことが出来ない。
それを見かねたキンブリーが激しく威令を出した。
「何をしているのですか!! 早く捕らえなさい」
檄を飛ばされ、金縛りにあっていた男達が脚を一歩前に進めた。
エドワードも一歩も引かない。守るべきものが、彼にはあるからだ。それにこんな自分を信じ、愛してくれる男がいるから
――。絶対に負けない。この場から逃げてみせる。
そんな彼の想いが叶う。天は彼に味方したのだ。
突然の激しい雷鳴と共に空から土砂降りの雨。
一瞬にして視界が奪われる。
エドワードはそんな自然現象に援護され、慌てふためく男達から咄嗟に逃げ出した。
「どこに行きやがった! 探せ!」
エドワードの背後で必死な声が上がっていた。
だが、恵みの雨とはこういう事をさすのだろう。血気盛んな男達は一気にヤル気を失っていた。
「くそ! こんな酷い雨じゃ、そう遠くには行けないだろう」
「この雨、たまんねーぞ! キンブリーさん、どうします」
男達は帽子を深く被って雷雨を凌ごうとしている男の指示を待っていた。さすがの男もこの土砂降りに意気を削がれたようだ。
自分の真っ白なスーツがずぶ濡れなのが、気に入らない様子だ。
「仕方ないですね。まあ……今日のところは良いでしょう。それにあの子の行き先には当てがありますからね」
獲物は逃がさないと、暗に告げているようなものだ。
爬虫類に似た瞳が、にやりとエドワードが逃げ出した後を追跡するように輝いた。それから、蛇を思わせる赤い舌先がぺろりと不気味に己が口唇を舐めていた。


動かない身体を叱咤して、エドワードはこの薄暗い裏街道から脱出を図った。
出来るだけ早く、この界隈から逃げなければならない。取り乱しながら先を急いだが、幸いなことに追っ手は来ないようだ。
それでも油断は出来ない。相手はあの狂気に満ちたキンブリーなのだから…。
この激しい雷雨の所為で露天商から人の姿が消えていた。あれだけ賑わっていた人々の喧騒は激しい雨音と雷鳴に変わっていた。
エドワードは壁に手を突きながら、ふらふらと左脚を引き摺りながら歩いた。
「ぜぇ、ぜぇ……クッ
――ぅ!!」
帰らなくては
――
お腹の子供の父親がいる家に。
突然の激しい大雨で人通りは少ない。それでもエドワードは人目につかない裏道を選んで、激痛を抱える身体を必死に動かして歩いた。
古傷の左脚が思うように前へ進まない。そう云えば、何度も左脚を踏み付けられていた。右腕は鉛のように重く熱い。むやみに振り下ろされる廃材を避けるために、右腕が活躍していた。頭はズキズキ痛み、ぐらりと揺れて視界が悪い。
どこもかしこも無事ではない。
そんな中でも唯一、緩やかな円を描く腹だけは守り通したと思う。
大粒の雨が身体を打ち付けていた。その中でエドワードは辛うじて無事なストールで下腹部を冷たい雨から守っていた。
意味がないと言われるぐらい激しい雷雨。それでもこの想いだけは腹の子供に伝わるようにと、エドワードは必死に掻き抱いた。
「ごめんな。こんなオレが母親でごめん」
何度も腹に向かって謝罪した。
「でもな、大切な旦那様との間に出来たおまえを絶対に守りたいんだ! だから一緒に頑張ってくれよ…」
まだ、胎動を時々伝えるだけの胎児に向かって、エドワードは必死に呼びかけた。
その顔には大粒の涙が零れていたが、この土砂降りの雨ではその痕跡も見当たらない。それでもエドワードは我が子を励ましながら、我が忌まわしい過去を嘆いて泣いた。


こんな事がいつかは起きるだろうと、ロイの腕に優しく抱かれている時にふっと想いが湧いてきて、そわそわしていたことが何度もある。
消せない淫猥な過去をもどかしく思った。だから頑なにロイの告白から逃げた。
それでもロイの熱意に魅せられ、自分もほんの少しだけでも夢を見ても良いかなと思った。ほんの一時でもオレは愛されるという喜びを感じた。
そして
――奈落に突き落された。
それでもね。ロイ…。
この子には
――このお腹には指一本触れさせなかったから。それで許して……。
あの屋敷に、ロイが帰って来るあの豪邸にオレも帰って良いかな? ちゃんと体裁を考えて誰にも見つからないように裏から入ってくるからさ…。それに最近、あの格式の高い屋敷の中でも自分の場所を見つけたんだ。
だから……お願い
――。オレが帰る場所はアンタの温かい胸しかないんだ。
――こんなオレにしたのはロイの所為だよ。
この子と一緒にロイが待っている場所に帰りたい。


エドワードは冷たい雨に濡れながらあの屋敷に脚を進ませた。
こんな自分を迎え入れてくれるかどうかは定かではない。それでも
――いつしか、自分の帰る場所はあそこしか思いつかなかった。
激しく降り頻る雨は止まない。
エドワードは天の恵みであるこの雨に打たれながら、自分の穢れた過去も一緒に洗い流してくれるようにと願って、鈍色の空を見上げた。




続く

非常に悲惨な……シーンです。
そして、冒頭になります! 旦那様の激昂。
暫く辛い話が続きますが、最後は大円団ですよ!それだけはお約束だから、頑張ってついてきてね♪

桜 美由紀 2006/11/22