TAKE OUT!から始まる恋。
独白編
















エドワード・エルリックの独白。




あの時、オレは酔ってなどいなかった。
酔っていたふりをしてしまった。
何故、こんな事をしたのかわからない。


そして。


今、コイツのベッドで醜態を曝け出して抱かれているのかも、わからない。
酔っていないと言いつつ、やっぱり酔っているのかも知れないけど。
今のオレじゃ、判断の仕様がない。
やっぱり
――、これって酔ってんのかな?


こんな事になって。そして、溺れてしまっているオレ。
そんなオレを大佐はどう、見ているのだろう。どう思っているのだろう。
嫌だろうな、いや呆れているのかな。
オレからは、その後の言葉が見つからないなっ!
一体何だろう、この気持ち。


いや、元を糺せば大佐はどうしてオレなんかを誘ったのだろう。
それこそ、わけわかんねぇ
―― !今、思い切り手で頭を掻き毟りたいけれど。
その手は今、大佐の背中に必死に摑まっている。どうしようもない状態だな。
我ながら泣けてくる。


だけど…。
オレ達は、今。
抱き合っている。欲望のままに、欲情のままに。それは事実だ。
大佐のベッドの中で、彼の腕の中で。
止める事はできたはずなのに、酔っていないと思っているオレには。


だけど、できなかった。
いや、やめようとしなかったのかもしれない。どうして…。


大佐の黒い瞳をじっと見つめながら、考えてしまう。
考えているようで、実は頭が熱でうまく回転していないような…。


長いこと奴の瞳を見ていると、気恥ずかしくなって視線を逸らしてしまった。
逸らしたら。
それが、合図のように大佐からの熱い唇から重なりあって。
それからは、もう流れるように、身体を任せてしまった。
たぶん…、終わったら…。
シラフに戻ったら…。
オレは、ココにいられないだろう。この腕に抱かれていることなどできない。


それでも、オレは酔っていなかったと思っている。
ただ、熱かったんだ。
でも、この胸のモヤモヤは何だろう。わかる時がくるのだろうか。




ロイ・マスタングの独白。




本当に。
どうかしていたのだ。
この私が…。
そもそも、何故あのガキ。いや鋼の、を食事に誘ってしまったのか。
そこが、問題だったのだ。
あぁー、そうだ!口が滑ったのだ、絶対に。
数多くの女性を食事に誘うように普通に誘ってしまったのだ。
そうだ。
それしかありえない。何の、意味も他意も絶対にない!


そして、私も彼も酔ってしまったのだ。
普通あのぐらいの酒量では絶対、私は酔ったりしないのだが。
たまたま、だぁ
――― !自分の髪をぐしゃぐしゃと掻き回したい衝動に駆られる
けれども。その手が鋼の、の背中や腰に回っている。何故なんだ。
こんな骨ばった腰や背に何の魅力も感じること等ないのに。女性のように柔らかい胸も
ないのに何が楽しくてこう、…抱きしめて。口唇を貪りあっているのだ。
だが、彼の口唇や身体はどこもかしこも甘いように感じる。
いかん
―― …、 そうだ!体調が悪かったのだ。
そもそも鋼の、が酒など飲んでみたいというから、こんな、こんな。


――今、ベッドで乱れあっている。相手は、鋼の、だ、どうしてだぁ!?
何故なのだ。私は欲求不満だったのだろうか。
いや、ちゃんと処理はしているはずだ。それに、相手に不自由したこともないはずだ。
なのに何故、鋼の、と寝ているのだ。
そして、困ったことに…どの女性達よりも
―― …。いかん、これ以上の介入は
絶対に許されない。私の、私が…。
こんな訳がわからない行動に走ってしまったのは、何故なのだ。
いつからなのだろうか。


たぶん…。
私は、あの店で琥珀色に光る、あの瞳に魅了されてしまったのだろう。
それからだろう。
鋼の、はこの私のとんでもない行動をどう受け取っているのだろう。
そして何故彼は今、この行為を受け入れているのだろう。
彼が、酔っているからなのか。
それとも。




さて、どうするべきか。
というか、この感情は一体なんなのだ
!うわぁーと叫びたいがそれどころではなくて
今はこの身体を鋼の、を私の腕から離したくなかった。
心地よかった。久しぶりに我を忘れる程に何かを与えてくれた。
この感情は明日目覚めた時にはどう変化するのだろうか。このままなのか、離したくないと。












拍手掲載分より加筆修正しました。
独白という形で「TAKE OUT ~」に移行。

桜 美由紀 2005/11/19




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