みるんじゃねぇ、さわんじゃねぇ!
エドワード・エルリック作
この日記は無断転写、無断解読で宜しく
何せオレ様の丸秘日記だからな
2月11日 晴れ
大佐に――逢いに行くことにした。
どうなるか…なんて、わかんないけど。
逢って伝える。じゃないと、後悔すると思った。
あの時、一年前は勇気がなかったけど…。今もまだ…だけどな。
だけど――今日こそは伝えようと、思う。
それだけで良いから。結果はどうであれ。
もううじうじ悩んでるのに疲れたのが、正直なところ。
オレってせっかちだもんな。
只、顔を見るだけでも良いと思ったから。それで……終わりにしよう。
これ書いてるの、汽車の中なんだ。そんで――今頃、気づいた。
「ちょっとでかける」と、だけしかアルの奴には伝えてなかったこと。
だってさ
気恥ずかしかったんだ。弟から尻を叩かれるようにして、こうして大佐に遭いに行く自分の姿がさ。
でも――サンキュー。
アルの一言で変わったんだよ。自分では突破出来ない見えない壁もアルの一言で、全てが変わったんだ。
少し、背中を押してくれるだけで前に進む勇気が出てくる。
そう――この感覚は幼いあの日を思い出すよ。
どうしようなく、どん底の淵にいたオレに声を掛けてくれた大佐を思い出した。
アルの奴が大きく見えてしまったことにちょっとオレ自身、戸惑いもした。咎人の罰を受け入れようと、死神が現れるのを待っていたオレだ。
その時――現れた大佐の姿がアルにダブってしまった。
何だか兄としての威厳を損なわれた感じだ。だけど、そのおかげでこうしてセントラル行きの汽車に乗車しているオレだ。
ヤバ、あとでアルにはちゃんと連絡しよう。
アルが二週間ぐらい前に「逢いに行って伝えろ」ってオレに提言したのが…確かに、きっかけかもしれない。
だけどな、それはずっと思っていた。
だから、誰かに言われてとか、じゃなくて本当にその意思はあったから。
ほんの少し自分に勇気がなかっただけだ。それを補ってくれたのは、アルに違いない。
だけど――今だから言える。
「ロイ・マスタング」の事が好きです。その思い……は。
あの時からずっと温めていた――から。
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