PROSTITUTION 第一章
PROSTITUTION 売春
報酬を得ることを目的として
不特定の相手(好きでもない男)
と性交すること。
冷たい風が街を駆け抜ける。結っていない長い金髪が風に流れる。
街は寝静まり静けさの中を只、1人フラフラと路地を歩く。
歩く脚には力強さはなく重く重く歩みを進める。
一歩、一歩、進むごとに身体中が軋む。それから、どろりと下肢から流れる感覚に身を縮める。
そして、不快な感覚と共に力までが削ぎ落とされていく。
「いっ…あっっん…」
「いい声で鳴く…。いいよ…凄く…そう…」
「やっ、はぁ…うっ…」
耳障りな会話が思い出される。
先程までの情事の余韻を身体を這いずり回る。
軍司令部の上層部の将軍。もう…名前も忘れてしまった。
中央司令部にオレ達がやってきたとき、その男とたまたま顔を合わせてしまった。
それが、この話の……始まりだった。
将軍はオレを上から下まで舐めますように視線を送り
そして、言った。
「君達は、探し物をしているそうでは、ないか?それも国家機密情報をね…
それと、横の鋼の鎧それが、君の弟かね…ほぉ、見事なものだ。う〜ん…中は空洞かね?」
「!?………」
空洞の言葉でもう、全てを察してしまった最悪だ。
それと、ねっとりとした言い方がとても嫌だった。
だが、今はアルフォンスと一緒にこの男の目の前にいる、ボロを出すわけにはいかない。
ここで、切れてしまうわけにはいかなかった絶対に…。アルフォンスの為にも、ぐっと拳を
握り締めた。
絶対にアルフォンスは守らなければならないから。
だから、こちらも様子を伺うように声色も変えずに淡々と話した。
「だから、何ですか…?」
将軍は、ニヤッと不敵な笑みを携えてこう打診してきた。
「私の手元に、今こういった資料があるのだが、中々手に入らずにね…。そうそう、君の上司で
あるロイ・マスタング大佐が探していたらしがどういう訳か私の手元に迷いこんでね。
さぁ、どうしようかと迷っているところだ」
「……それは、?…」
オレは奴の意味することが、なんとなく判ってしまい。
うんざりした、こういう問いかけは何度となくあった。
オレは決して誘っているわけでも、そういう類の人間に好かれる態度をとったつもりもなかった。
なのに、こういう輩の卑猥な誘いが多々あった。
いつもは、否必ずこんな誘いは蹴倒して生きてきたし、これからもそうするつもりだった。
だが、今回はそういう訳にはいかなかった。
相手が悪かった、その上アルフォンスの秘密も握られてしまった。
オレは、黙って相手の言うが侭になるしかないようだった。
隣に並ぶアルフォンスの鋼の腕が憤怒のあまりカタカタと音を鳴らして震えている。
せめて今のオレにできることは、アルフォンスの腕を握り締めてやるぐらいしかなかった。
「…兄さん?…」
「黙ってろ、アル…」
「でも…、兄さん…」
「いいから!」
オレ達2人のやりとりを面白そうにニヤつきながら、将軍は見ていた。
次の一手で決まりだ、チャックメイトまじかである相手の表情が慌てる様子を伺うこれほどの
快感はない。
オレは、真綿で首を絞められる感覚を味わっているが絶対にこんな男に伏したくない。
静まり返る、時間だけが時を刻んでいく。
to be continued
後記
またまた、薄暗い話を…一章々をやや短目に
区切っていく予定です。
まだ、序章です。