PROSTITUTION 第三章
PROSTITUTION 売春
報酬を得ることを目的として
不特定の相手(好きでもない男)
と性交すること。
セントラルホテルへ行く道中、オレはとても虚しい思いに駆られていた。
今から自分が恐らく強いられる行為はロイに対しての裏切りだ。
オレの心はその事で一杯になる裏切りたくない絶対に…そう心では思っているのに。
だけど、結論からいうと…もう、打つ手がなかった。これが最善の策だからと諦めた。
こんな身を売るような行為をするオレをロイは二度と愛していると言ってはくれないだろう。
ロイと身体を繋ぐ行為に抵抗が、恐怖が、あったオレの事を大切に思ってくれたロイの好意を
裏切った。
君が良いと思うまで待っているよ、エドワード。
そう言う、ロイからの言葉が耳から離れない、なのに…。今、オレは……。
その言葉に甘えていた癖に、あっさりと否、随分と悩んだ。大切なアルフォンス為、ロイの為にと
身体を投げ出すことを決めてしまった自分を恥じるしかなかった。
こんなことなら、早くロイと身も心も繋いでいれば良かったのに、いつも後悔はあとについてくる。
ポツポツと歩いていると目的地には案外早くたどり着いてしまった。
ホテルの受付で将軍の名を尋ねて部屋の番号を聞いた。
501号室。
501号室の扉のノブを前にエドは心臓が跳ね上がるようだった。
アルフォンスには強い言葉を吐き捨てて出てきたが、本当は怖かった。
その証拠にノブを握る手は震えていた。
そして、心で繰り返し呟く言葉は。
ロイ…、ごめん…。
この言葉だけだった。
しかし、扉は開けられた。もう、戻る事は不可能だった。
ニヤついた将軍の勝ち誇った微笑がオレを見つめ部屋に入るように促された。
将軍は、部屋に入ったオレの姿を上から下まで執務室で眺めていたように、再度卑猥な視線で
舐めまわした。
黒いシャツにジーパン姿、いつもは結っている長い金髪の髪を緩やかに下ろし、長く伸びた
前髪と横髪を片方耳にかけている姿はまるで、中性的な綺麗な美少年のようだ。
「ほぉ…大分、印象が違うね。可愛いね…。まさしく私好みだよ、君を一度中央司令部で
見かけた時から、気になっていたんだよ!だけど、あの東部の田舎大佐の庇護下に
君がいるので、中々声がかけることができなくてね。しかし、今日は嬉しいね…」
将軍はオレの肩に触れてきた。思わずオレはビクついてしまう。
「おやおや、そんなに驚かなくても…優しくするよ…」
ぞっとした…。この男はやっぱりオレが目的で随分前からスキあらばここぞとばかりに
狙っていたのだ。
そうだと、オレは判っていたのに、いざ、その場になるとやはり身体が凍りついた。
将軍は、ビクつくオレの身体を欲望を交えた掌がそっと色々触ってくる。
結っていない長い金髪を誉めては触れてきて、機械鎧の右手に興味があるフリをして生身の
左手を撫でまわし、そっと腰に掌を廻してきたりと、如何にも好きそうなオヤジの欲望の掌が
オレを触りまわす。
この男の狙いが、オレの身体だと判った今、オレは切り出した。
「……おい、あの書類は…」
「…あるよ。そこに…」
将軍が指差した先に分厚い茶封筒があった。
オレは、撫で廻す掌を払いのけ、その茶封筒を確認しに行った。中身は本物だった。
背後に将軍の気配を感じた。
そして、オレの腰を背後から抱き寄せオレの腰に密着してすり寄ってきた。
オレの腰上辺りで奴の熱い肉棒が擦り付けられた。首筋には奴の熱い欲望の吐息がかかる。
「…う〜ん…。この書類を手に入れるのは、本当に苦労したのだよ。だが、そのお陰で君と
こうしていられるのだが…、ふっふ…、それは帰りに渡してあげよう。さぁ…こちらに来なさい」
「オレは、別に書類が欲しくて来たんじゃない!オレに……これっきりだ!一度だけで
あとは、ない!アンタも危ない橋渡ったんだ…いいだろ一度きりだ!いいな!」
「 ―――― 君も強くでたなぁ〜〜。いいだろう。私も今の地位を降りたくはないのでな…!」
「………っ」
オレはギュッと握る手に力を込めた。
もう、後戻りは本当にできない馬鹿な選択かもしれないけど、こうするしかなかったんだ。
今のオレには…。
to be continued
後記
サクサクといくつもりが…またしても、長くなりそう?
嫌なオヤジ(将軍)を書いているつもり…
第四章からさらに…エロオヤジ炸裂のつもり…