人  間  兵  器    act.3


















様々な欲望の手がエドに伸びてきた。
憎悪の手が、力ずくでズボンをひきはぐ。
目がかすみ気力もなくなってきたエドは、冷めた意識の中で、他人事のように、無理やりに
引き剥がされた衣服が、床に散らばっていく様子を目で追っていった。
両腕は押さえられ、少しも動かすことができない。ゆらゆら、と視界がゆれる。
そんなエドに、男の1人が顔を近づけて言ってきた。


「知ってるか!戦場に於いて拷問にレイプが効果的なのは、死なない割りにダメージが
でかいって事を人間兵器の国家錬金術師殿。良い経験をさせてもらえよ。」
「くくくっ…」


卑猥な笑い声が、この異様な一室に響きわたる。
ぐらつく視界の中、エドは自分の置かれている立場を実感して心底恐怖を感じた。
今からこの身に起こる事が、何を意味するのか、やっと頭が判断する。
気付いた時は、いつも遅く。恐怖と恥辱に混乱した。


「やっ、やめろー!いやだぁ
―――― !」


エドの悲壮な声が木霊するが、かえって連中の欲望に焔をつけさせてしまった。
腰を抱えあげられ、ジッパーの引下ろされる下品な音が残酷に響く。


恐怖に慄く、心でエドは思う。胸に、痛く、そして蟠るこの不条理を。
ロイ、【人間兵器】て、こんなもんなのかよ…。オレの存在理由は何なんだよ!
これは、等価交換なのか、オレが銀時計を所持している為の。
そんなはずない!絶対やだっ
―― !こんな代価は、払えない、何があろうと。
やだーッ、やー!
助けて
―――




自分がどうやって、もがいているのか判らなかった。
ただ、なんとかして、この意味のない暴力から逃れたかった。
力を振り絞って猛烈に暴れまくったが、引き起こされ殴られ、髪を引っ掴まれて床に頭を
叩きつれられる。
綺麗に結っていたはずの黄金の輝いていた三つ編みは無残に解かれ散った。
解かれた黄金の長い髪が床に流れる。
痛ましい姿。そんな姿でさえ彼らは、欲望へと変化する。
彼らには、扇情的に見えて、長い髪を男の汚い欲望に染まった手がすくって口付けた。
それに、エドの身体が反射的にビクつく。
さっき大佐が、ロイが、愛しく触れたはずの髪が…、触るな!
穢れていく
――




痛みは痺れへと変化していったが、もう身体を動かし抵抗するすべを知らず。
エドの両足は無理やり左右に開かされ、膝裏もって胸につく程に抱え上げられた。
そして、同時に欲望という凶器によって身体の芯を一気に突き刺された。
濡れるはずもない、その場所は無理やり抉じ開けられる。
めりめりときしませて。


「アッ、イッ、ヤメッーわぁぁぁぁぁぁ…!」


痺れて感覚が、失われていた処への急激な激痛のせいで、エドの口からは獣のような絶叫が
ほとばしった。
余りの絶叫に、びっくりした連中の1人が。


「おい、何か口にかませろよ!やばいぜぇ。外に漏れたら」
「あっー、あああ」


エドの口に何かが、押し込まれる。そのため悲鳴は苦しく、くぐもった。そして、呼吸も。
凶器は身体の芯深く、下から埋め込まれていく熱く、固い凶器をずぶずぶと
捻じ込まれていく。


「くっ…う…っ…」


内臓に深々と打ち込まれる痛撃にエドの瞳からは、止めることができない生理的な涙が流れる。
やっと、男の凶器が全てエドの身体に納まると、今度は激しい挿入が繰り返され始めた。
流れる涙を見てか、男は興奮気味に荒い息を吐き出しながら更に激しく腰を振り続けた。
あああー、何て惨めなありさまだろう。だが、連中は興奮に酔いしれる。
エドの下肢からは、赤い鮮血が流れはじめそれが、逆に凶器の滑りを良くしてしまう。
淫らな音を部屋に響かせながら。
その淫らな行為を生唾を飲み、男達は興奮して見ていた。
狂気の晩餐を。


「おい、具合はどうだ…!」
「あぁー、いいぜぇ。この締め付けが堪らないな…」
「やっぱこいつ、慣れてんじゃないのか。くくく…」


男は、そう答え。尚、一層他の連中に見せ付けるように激しく腰を打ちつけた。
エドは、白くなっていく頭の片隅で思った。
早く、終わってくれ。


「おい、おい、まだ 寝るには早いぜ!」
「うっ…、う〜ん。」


頬を叩かれ、遠うのいていく意識を、無理やり引き戻された。
意識を飛ばせていたら、どんなに楽だった事だろう。この苦痛からは取り敢えず解放される
はずだったのに。
しかし、それも許されず。
エドを貫いている男は更に脚を開かせ、身体を寄せて、欲望の息と一緒に己の精液を体内に注ぎ
込んでいった。
身体の奥、内臓に気味の悪い熱いもの吐き出されるがわかる。脊髄から脳天に届く不快感に
ぞっとした。
内臓からの嘔吐感と下肢からの不快感にエドの身体は悲鳴を上げ続ける。


「…くっ、うっ…」


エドは悲鳴を上げる事もできずに 只、この苦痛が過ぎ去るのを待つしかなった。
掴まれていた脚は力なく床へ投げ出され、エドの内部からずるりと抜け出て行くものがあった。
ああああー、終わったんだ。これで…。


「おい、かわれよ!次はオレだ!」


だが、希望は絶望へと変わってしまった。
次の男が血気盛んに順番を待っていた、そして他の男達も性欲に高揚し次はオレだと
言わんばかりに、目をギラつかせている。
もう、成す術もなかった。
力なく、血と精液に汚濁されたエドの身体を舐めまわすように、男達は欲望の目で
上から見下ろした。
次の男がエドの投げ出された両脚をつかみ自分の腰を脚の間に身体を沈ませていったが。


「おい、この脚重いなぁ。じゃまだっ!」
―― !?うっ、ん…」
「おおっ、次の為にとっちまおうぜ…」


その言葉に、エドは閉じかけていた瞳を大きく見開いた。
やめてくれ
――!!!声は、出ずとも慟哭がエド自身の胸で、鳴り響く。


エドにとって大切な前に進むための左脚、機械鎧だが大切な脚を、この連中は切って捨てるように
言い放つのだ。
そう、己の欲望の為に、物のように扱われ切り捨てる。
声を上げて懇願したかったが、その声は届くこともなく虚しく吸い込まれていく。
大切な脚なんだ!やめてくれ!エドの届かぬ声が、胸中を掻きまわる。


「おい、外れそうか?…」
「あああ。これは、こつがいるだぜ!以前、戦場で教えて貰ったが、どうだったかな…」
「いいさ、適当に外せればいいんだぜ」
「そう、軽くなって犯りやすいぜ」




次の瞬間。




ガキィン、という金属のぶつかり合う様な音が、この異様な空気の部屋に鳴り響いた。


「う〜うっ…」
「あはははー、可哀想に痛がっているぜ。だけど、これで抱える脚が軽くなったぜ」
「はははははははは…」


狂っている、こいつら殺してやる、絶対。
エドに殺意が燃えたが。
だけど、こんな奴らと一緒になりたくなどない。決して、己の道を間違えるな!
と、激痛に悶え苦しむ中、エドは自分に言い聞かせた。
絶対に…。


軽くなった両脚を抱え、次の男が鼻息も荒く自分の勃起した凶器をエドの下肢へと
捻じ込んでいった。


「うっ…っ…あっ」


先程の血と精液に濡れた後孔は幾分、滑らかに受け入れていった。
滑りの良くなった後孔に男は歓喜し、己の腰を勢いに任せて激しく振っていく。
エドは、身体を引き裂く痛みと内臓を圧迫され、襲ってくる吐き気を我慢するしかなかった。
そう、苦痛しか感じない。


「あぁっ、いい感じだ」
「そうだろ。こりゃーたらしこまれるな」
「男にしとくにゃ、綺麗な顔をしてるしな。それに、この悶える顔がたまんねぇー」
「おいっ、早く次かわれよ!」
「おっ。色っぽい顔するじゃないか、このガキ…」
「たまんねぇなぁー」


違う、違う、そんなんじゃ、ない。苦しい、たす、けて。
エドの瞳からポロポロと涙が、流れ落ち汚れた床に吸い込まれていく。
扇情的なエドの苦痛に耐える姿に、欲情する男達は生唾を飲み込む。
そして、その度に男達は角度を変えエドの幼い後孔を激しく突き続けていた、己の欲望を
吐き出されるまで。
欲望の証である精液をエドの身体に流していく。それを繰り返していく。
エドにとって拷問であった。灼熱の棒で内臓をこねくりまわされ、抉られていく。
エドは、激しい激痛に意識が朦朧としていく。
只、エドの身体である右脚と腰は無気力に、勝手に揺れていた。
もう、叫ぶ体力も残されてはいなかった。意識が点と線を結ばない状態であった。


「おい、口の外してやれよ。もう、叫ぶ力はないだろうよ」
「しかし、どうも大人しくなっちまって、つまんないなぁ…!」


やっと、猿轡を外されたエドだったが、やはりもう叫ぶ体力も気力もなく荒く呼吸するのみだった。
ゼェ、ゼェと…力なく、変な音を漏らしながら息をしている。
瞳は、うつろで…、何を映し出しているのやら。


「ちゃんと相手しろよ!ほら…」


今、エドの体内にいる男は、凶器の欲望を後孔から抜けるギリギリの処まで抜いたかと思ったら
一気にエドの体内に激しく打ち込んだ。
今迄、単調な動きに慣らされていた身体は、急激な動きについて行けず悲鳴を上げる。


「ひっ…あっう…」


エドの身体は魚のように裏返った。その姿に、男達の欲望は湧き上がった。


「おっ、まだまだ、いけそうだな。いい反応だ」
「あっーうっ、あぁぁぁぁっー」


一度漏れ出した、喘ぎと悲鳴はもう、抑える事ができなかった。
男達は何度も、繰り返しエドの身体を欲望のまま、犯していく。
犯す、というセックス行為ではなく、連中の行為は暴力に等しかったのだが…。
硝子玉みたいな冷たい欲望に染まった目が、じっと、真上から苦痛にゆがむエドの姿を
見つめている。
それは、与えられる激痛よりもずっと、エドの魂をさいなみ、ちぢみあがらせた。
人間を見る目ではない。
ものを見る目で…。




そう、彼らにとっての道具【人間兵器】。




何時、終わるとも判らない拷問。 拷問台に乗せられた自分の姿は、とっても滑稽だろう。
こんな姿を見たら大佐は、どう思うだろう。
ロイ、ごめん…。自分の身も守れない、愚かな自分を願わくば嫌いにならないで。
エドは、ぐらぐらと揺れる視界の中、ロイの姿を思い浮かべながら、懺悔の言葉を
胸の中に、綴っていく。聞こているか、どうかわからないが、あの男の為に。




狂気の晩餐の中、意識を失うことも許されず激しい苦痛を只、我慢することしかできなかった。
勝手に流れる涙を拭うこともできずに。
何十分も、何時間もいたぶられて、頭の中は真っ白になって此処がどこで、自分は何の為に
苦しめられているのかさえわからなくなってしまう。
ただ、一分でも一秒でも早く、この狂気の晩餐から解放されたかった。それだけを思い。




いつになったら、解放されるのだろう。




これは、己の立場を理解できてなかった。
【人間兵器】としての、己への罰なのか。







違う、決して
















to be continued












ホント、次は助け出します。
しかし 長くなりそうです。 この話…