TAKE OUT!から始まる恋。
act.5
ふわりと、身体が持ち上げられてしまう。思わず落とされないように、彼にしがみ付いた。今は瞳を合わす事が怖かった。だから、じっと彼の鼓動が響く胸にぎゅっと顔を埋めている。
そんなオレをこの男は、どう思っているのだろうか。
アルコールでちょっぴり痺れる頭には、もうこれ以上の思考は無理のようだ。
だけど、これだけが気になっている。
ロイは終始無言のまま、寝室のベッドにエドワードの身体をそっと横たえる。ポスっとベッドが沈む。エドワードの両腕を捕らえるようにロイの両手でベッドへ縫い合わせられた。
それで、必然的に2人は瞳を合わせる事となった。
視線が合わせられると、同時にロイから激しく口付けされる。あの路地の時よりも激しく。
そして、先程の浴室よりも貪欲に激しくむさぼられる。
彼は、少年なのに…。
オレは、女じゃないのに…。
だけど、声が上擦ってしまう。自分でも聴いた事のないような声色。
「あっ…あ、はっ…あ…」
ロイの熱く湿った唇が、エドワードの首筋へと滑る。
金糸の髪は、ベッドに波紋を広げるように流れていた。ベッドサイドのランプが茜色に部屋を照らす。
明かりは、ゆらゆらと2人の動きにつられるように揺れ続ける。
彼の両腕を捕らえていた手は左手のみを残し、右手が淫乱にエドワードの小さな胸の飾りを弄び始める。優しく撫でまわし、そして啄ばむように彼の手練手管に翻弄されていく。
声が抑えられない。
ロイの濡れた舌は今まで掌で、指で遊んでいた場所に辿りつき口にそっと含む。
「あ、っ…あん、はぁ…」
感度が良いのだろうエドワードから漏れ出す声色に踊らされるように、彼の薄く色づく桜色の乳首を甘噛みし啄ばみ、舌で転がすように舐めていく。
その気持ちよさに、彼の内股がロイの身体に小刻みに震えるのが伝わる。
熱い、身体が。
ロイは震える内股に滑るように掌を這わせる。その動きにエドワードの身体が緊張する。そして、ここで初めて拒絶する言葉が出る。
か細く、小さく嫌がる声色。それが、ロイにとって更なる熱を持たせてしまうのだが。
「やっだ…、あ―」
エドワードの拒絶を聞く余裕もなく。熱い手は軟らかい内股を優しく撫でまわしながら、徐々にロイの唇は胸から下腹へ。
そして…。
彼が今、撫で回している内股へと滑っていく。
ところ、ところで彼はエドワードの陶磁器のように白い肌をきつく吸い上げて、赤く印を残していく。
意味もなく、いや刻んでおきたかったのだ。
この身体に、忘れないように。酔っていたからではないと。これは夢ではないと。
吸い上げるたびに、小さな悲鳴を漏らしていく。
それが、また、たまらない…。
左脚の太股から機械鎧の接合痕が生々しい。その傷痕がアルコールで熱を帯び美しく赤く染まっている。
「綺麗だ…」
と、ロイは思わず口に出してしまう。
その声に反応してかエドワードの両腕が彼の頭を鷲づかみに引き剥がそうともがく。その手をロイは、力強く引き剥がして彼の傷跡、そしてその先に欲情を露にしているエドワード自身へと舌を絡めていく。
傷跡。白い内股。彼は赤い印を刻み込んでいく。その度に、快楽に溺れる声色が奏でられる。
「ア、ああ―っ」
すでに屹立している場所に辿りつく頃には、頭上で啜り泣きする声がかすかに聞こえるが。
どうする事もできない。
もう、止らない。止められない。
下から上へと舌を這わせていく。身体がびくりと震えるのが面白いほどに良くわかる。
「あっ、ヤ、ダ― あっ…」
掴んでいたはずの腕は、いつのまにか指と指を絡ませ合っている。
そして、彼の機械鎧の右腕、左脚がほてったロイの身体を冷たく、冷やしてくれる。
これが何ともいえない心地よさで。ロイの大樹が雄々しく育っていく。そして、その欲望を吐き出す場所を狂おしく探す。早く入れてこの欲情を吐き出したくて大樹がドクドクと脈打つ。
女性相手ならば悩むこともないが、相手は少年だ。
受け入れる場所は、只1つ。この後庭だ。何者の侵入を阻むようにきつい秘処。
ロイはその秘密の園にエドワードの屹立した物が流した蜜液で濡れた指を侵入させていく。
身体がびくりと強張り、短い悲鳴がでる。
「あ、痛っ…」
身体が拒絶するが、ロイは止らない。指は1本から2本、3本へと増やされていく。彼が泣き叫ぶ表情が堪らなく美しい。彼の精神には苦痛かもしれないが、身体は違う反応を示している。
少年のそそり立った物は萎えることなく、天井に向かってを雫を流している。
荒く吐き出される熱い吐息。そして、生理的な涙がエドワードの頬を濡らしていく。その姿を真上から見下ろすロイは彼に対して愛情さえ芽生えてしまう。
その証拠に彼の高揚した頬、額、目尻に優しくキスを落としていく。
それから、ロイは彼の耳元で熱く囁く。
「初めてか…」
ロイの言葉を理解しているかどうか定かではない。虚ろな瞳がロイに向けられ、こくりと素直にうなずいた。その仕草と初めてだという事にロイは言い知れない感動を覚える。その事は同様にエドワードの心にも灯火を点けた。ロイにそんな質問をされるとは思っていなかった。
快楽の中で朦朧とする頭が、彼の言葉の意味を理解するには少しばかり時間がかかったが、それでも彼の細やかな気遣いが嬉しかった。
そして、自分が頷いた時の彼の顔が忘れられない。
アルコールに痺れた脳内に刷り込まれていく。
何故、私は彼にこんな抱擁をしているのだろうか。
何故、オレは奴の抱擁を大人しく受け入れているのだろうか。
これは夢の中の出来事なのだろうか。明日には消えてしまう蜃気楼のようなものだろうか。
ならば、今だけでもこの身体を刻み込んでおきたいと。
2人の止らない情欲は激しさを増していく。ロイの猛々しい大樹は躊躇うことなくエドワードの秘密の園に強引に侵入していく。大樹がメキメキとめり込んでいく。エドワードの指に力が入る。
何かに掴っていないと、と思い。ロイの逞しく鍛え上げられた両肩に必死にしがみ付く。
「いっ――!痛い…、ヤァ…」
「力を抜け、鋼の、」
「あ、いっ…」
きつく締め上げられる歓迎を受けるが、それでも、ズズっと先へ入っていく。深い場所へと辿りついた後は、2人の理性は飛んでしまっていて。
己の欲情に溺れ、素直にお互いの身体を抱きしめあう。ベッドの端から端まで余すことろなく獣のように乱れ抱きつき腰を振る。エドワードの長い金髪がベッドに乱れる。その頭を大人しくさせようとロイは、自分の胸にぎゅっと押し付ける。激しくベッドが軋む音と熱い吐息がこの部屋に鳴り響く。
アルコールに酔い痺れるような悦びと荒波のようにやってくる快感の渦の中で2人は翻弄されていた。
今宵、2人は禁忌を犯してしまった。
気持ちが、身体が赴くままにお互いを貪り抱きしめあった。
この夜の出来事が全て、現の世界であるようにお互いが自問自答しながら欲望を吐き出す。
朝が来たらどうしようと思いつつも、この手をこの背を離せない。
そして、快楽に身を任せている間も2人は言い訳を考えている。
これは…。
「酔っていたからだ」
と、そう思い続けていた。
だから、今はこのままでいたいと。
久々の更新です。ホント濡れ場に泣いた桜です。
そして、本当に濡れ場だけでした。
さあ、朝がやってきたら大変です。「独白編」をこの「act.5」の次に読んで見ると良いかもです☆
何か微妙に感じ方が(濡れ場)違うかも。
まだまだ、ヘタレ桜なので解釈を書くのであった。
桜 美由紀 2005/12/1
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