PROSTITUTION   第六章



















PROSTITUTION 売春


報酬を得ることを目的として
不特定の相手(好きでもない男)
と性交すること
























やっとオレを解放した奴は、ベッドの上で踏ん反りかえっていた。
よっぽど、愉しめたのだろう。
オレの身体は泥のようだった、汚いどろどろで一杯の汚れた身体だった。




もう、以前には戻れない。もう、綺麗な身体じゃない。もう、心が穢れてしまった。
人体練成を……。神の領域に踏み込んでしまった時からオレは、もう……まともな人生は
歩めないそう思っていたけど。




それでも、愛を囁いてくれる人が、オレ自身を理解してくれる人が、男がいたから…。


でも、何もかも手遅れだ、手放してしまった自分で。
断崖絶壁で救いの手を差し伸べてくれる人がいたのに、その手に摑まれば絶対に堕ちる事は
なかったのに…自ら、その手を取らなかった。




けだるい身体をやっとの事で起き上がらせた。
その行動が、また奴の気を引いてしまう程の妖艶な表情をしていた事などオレには気付きも
しなかった。
ぞくっとする将軍の掌を感じた。




「あっ、やっ…」




奴はオレの先ほどまで散々、酷使し続けた後孔をぬるりとさわりながら言った。




「もう、帰るのかね。残念だよ…。君の身体は非常に淫らで良かったよ。また、今度どうだね
君もまんざらじゃないようだし…」




身を翻して将軍の愛撫から逃れるエドの姿は傷を負った獣のように、牙を剥き出しに威嚇した。




「冗談じゃない!これっきりだ!」


「仕方ないなぁ…。例の書類は、もって行きたまえ」





オレは、よろよろする身体を叱咤して床に落ちている自分の服を着替えた。
結っていない黄金の髪が、うざったく顔や首に絡みつく。 
気だるい動作で、まとわりつく黄金の髪を手櫛で耳にかける。
大切な大切な、この書類の為にどんな思いを…。
そして、コイツの言葉にまんまとひっかかり…、オレは身を売った。




書類を拾い上げ大切に胸に握り締めオレは、この売春宿(ホテル)を出た。






時間さえわからずにいた。
今が何時なのか、オレは奴に何時間、身体を委ねていたのだろう。




フラフラと風に揺られながら、歩くエドの姿は翼が折れた天使のようだ。
飛べなくなった天使、堕天使。
エドは、夜の街灯の灯った薄暗い街を力なく歩いていった。
レンガの敷かれた路地はまるで迷路のように思えた、抜け出せない路地。
しかし、帰るべき場所はあった目的の場所は、あった。
アルフォンスが待つ、いやアルフォンスがいる宿へ…。




今のオレの顔はとっても人に見せられる表情ではないだろう。
何かに打ちひしがれた、暗闇を心に宿した顔。
アルフォンスに会っても、平常心でいられるのだろうか。
それとも、許しをこうのだろうか。




思案する事は、重すぎてだけど、全ては自分が招いた事だから…。
始めから…、何もかも…。
力なくも思い巡らす事は、つらい事ばかりを多く思考する。
帰路は、ゆっくりとした歩みでも嫌にでも、目的の地へと辿りついてしまう。
宿付近に近づくにつれて、路地は明るさを増していくオレの気持ちとは正反対だ。




そして、宿前のドアには。




会いたくなくて、でも。
待っている弟が宿前の階段に大きな鋼の鎧をどっしりと構えて座っていた。
気が…、感じられる。激怒のオーラがこちら側からでも見える。
見える事などないのに感じた。
オレの姿を玄関先のアルフォンスに確認された。




――――― 兄さん…!」




アルフォンスの声がオレの胸に響いた。そして、どうしようもなく木霊する。
あぁぁぁ…。オレは何て事をしてしまったのだろう、…と。




「アル…。ごめん遅くなった…」




穢れのない魂の持ち主アルフォンスには、オレの言葉は何と聞こえるのだろう。
偽りの言葉が…オレを駆け巡る。




「兄さん、僕…、大佐を呼んだ!」




オレは、アルをまともに見上げることができず、レンガが敷き詰められた道を見続けるしか
できなかった。
握っていた茶封筒をぎゅっと力強く握った。
会いたくて…会いたくない人の名を出された。




終わりだ。




宿の路地から、カッンカッンと足音が響く。
地獄の死者か、それとも神の使徒か。人影が現れた。
彼の背からは翼が黒なのか白なのか、今のオレには、黒の翼にしか見えなかった。
犯してはならない罪を犯したから。
手にもつこの書類と空洞の、鋼鉄の鎧のアルフォンスの為にオレは身を売ったから。















to be continued



後記
真打登場です!
ここで、予定なのですが…この後の話を二つに
分けようかと考え中です!
神の使徒・地獄の死者「白き翼」「黒き翼」てな感じですが
今、「白き翼」の方を書いている途中です…。まだ、更新には時間が…
すみません待ってらっしゃる方…暑さにバテ少々更新のろりです。


桜 美由紀 2005/7/23
追記:NEXT→「白き翼」&「黒き翼」にこの話を「2パターン」にわけました。
    選択するのは「貴方」です。↓にて…。





                        





「選びの門」
        
 「白き翼」           「黒き翼」


「白き翼」と「黒き翼」 貴方は、どちらを選択しますか…。



簡単な、概要    反転にて…。 
要注意 : 「黒き翼」は強姦・暴力的シーンが多々?あり18禁内容です。
                                         選択の際はご注意下さい。

「白き翼」

まぁ、甘い感じ…のロイエド。エロはないですよ…心の平穏を目指して。
エドワードの反省。

「黒き翼」
注意 : 鬼畜ロイがいらっしゃいます。強姦・暴力シーンが多々ありますのでご注意ください! 
18禁内容です。
只でさえ…、自分が犯してしまった行為に反省をしているのに
追い討ちをかけるようにロイがエドワードに酷い事を…。

長くなりそうです(汗)